同期は蓋を開けたら溺愛でした
それなのに大友は悠然とした態度で、白々しい質問をする。
「珍しいな。ネックレスしてるの」
贈った張本人が何を抜け抜けと!
憤慨しているとエレベーターは到着して、指も解放された。
ホッと息をついて歩き出すと、追い抜きざまに私にしか聞こえない音量で呟いた。
「会社にして来るとは思わなかった」
それは、どういう意味で?
一瞬、不安に思って大友を見つめていると、振り返って「顔がニヤける」と普通の会話と同じように告げられる。
これじゃ心臓がいくつあっても足りない。
先を歩いていく大友を追いかけられずにいると、「どうした? 行くぞ」と気怠げに声をかけられた。