同期は蓋を開けたら溺愛でした

 解散となった会議室で大友と目を合わせ、言葉にならない思いを伝え合う。

「ちょっと、見つめ合っているところ悪いんだけど」

 ため息交じりに増永さんに横槍を入れられ、我に返る。

「2人の世界に浸らないでほしいね」

 皮肉った言い方をされて、慌てて「そんなはずありません」とよく分からない返答をした。

「じゃ、少し僕とも話せるかな? 出来れば……2人で」

 大友に目配せして「じゃ俺、先に戻ってる」と、自主的に席を外させた。

 大友の後ろ姿を見送ってから、改めて私に向き直った増永さんに身構える。

< 240 / 319 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop