同期は蓋を開けたら溺愛でした
17.そのわけは

 仕事終わりは里美経由で阿部くんに誘われ、久しぶりにいつもの居酒屋に向かっていた。

「久しぶりだなあ。店長、忘れちゃってないかなあ」

「まあ、俺はちょくちょく行ってるんだけどな」

 大友と居酒屋へ向かう道中での会話。
 なんとなく引っかかって聞き直す。

「昨日、飲みに行ったってこと?」

「まあ」

 どうも端切れが悪い。

「里美や阿部くんたちと飲むのも久しぶり、だよね?」

 どことなく引っかかってはいた。
 里美と話しても大友と飲んでいる風な口ぶりだったし……。

 里美と阿部くん2人が付き合うようになって4人で飲む機会も減った。
 そう思っていたのは私だけ?

「もしかして、私を仲間はずれにして3人で飲んでたの?」

 視線をそらす大友が、ぼそっとつぶやく。

「……人徳の差?」

「ひどい! 私も誘ってくれればいいのに!」

 怒っていると私を呼ばない理由を告げられる。

< 243 / 319 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop