同期は蓋を開けたら溺愛でした
17.そのわけは
仕事終わりは里美経由で阿部くんに誘われ、久しぶりにいつもの居酒屋に向かっていた。
「久しぶりだなあ。店長、忘れちゃってないかなあ」
「まあ、俺はちょくちょく行ってるんだけどな」
大友と居酒屋へ向かう道中での会話。
なんとなく引っかかって聞き直す。
「昨日、飲みに行ったってこと?」
「まあ」
どうも端切れが悪い。
「里美や阿部くんたちと飲むのも久しぶり、だよね?」
どことなく引っかかってはいた。
里美と話しても大友と飲んでいる風な口ぶりだったし……。
里美と阿部くん2人が付き合うようになって4人で飲む機会も減った。
そう思っていたのは私だけ?
「もしかして、私を仲間はずれにして3人で飲んでたの?」
視線をそらす大友が、ぼそっとつぶやく。
「……人徳の差?」
「ひどい! 私も誘ってくれればいいのに!」
怒っていると私を呼ばない理由を告げられる。