同期は蓋を開けたら溺愛でした
戯れ合う男性陣を尻目に里美が私にこそっと耳打ちをする。
「良かったじゃない。上手くいって」
「え、っと。まあ、そうなのかな」
「何、言ってるの。幸せオーラすごいから」
幸せオーラと言われるとくすぐったいけれど、確かに今は充実してると思う。
「それは、だって、念願叶って商品化できそうなんだもん」
「恵麻、商品の詳細は」
指を口元に当ててシーのポーズを取る大友が何故だか色っぽく思え、慌てて視線をそらす。
色ボケし過ぎだから!
「おい、聞いてるのか?」
阿部くんと戯れ合っていたくせに、しれっと私の隣に座る。
それはもちろん右隣に。
大友が私の隣に来るものだから、里美は向かいに移動する。
「聞いてますよー。口うるさいと嫌われるんだからね」
「はいはい。嫌われないように気をつけますよ」