同期は蓋を開けたら溺愛でした

 大友が席を立ったときに、随分と出来上がった阿部くんが思わぬ発言をし出す。

「本当に愛されてるよね。青木ちゃんって」

「あ、愛って……」

 酔っ払いにシラフで対応できるほど、人間ができていない。

 やっぱり、この話題はナシだよ〜。
 大友、早く戻ってきて!

 泣きそうな心持ちでいても、阿部くんは続ける。

「だって青木ちゃんのために鍛え始めたんでしょ?」

「……え?」

「ほら、そういう話すると大友くんに叱られるよ」

 里美に注意され話を止めようとする阿部くんに、私は泣きそうだったくせに食い下がる。

「待って、どういう意味?」

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