同期は蓋を開けたら溺愛でした

 駅に向かう途中、公園のような広い芝生のところで足を止めた。

 そこからは水族館を見渡せて、ライトアップされ始めた外観が夕日に照らされながら煌めいていた。

「少しだけ、見ていかないか」

 芝生にはベンチがいくつかあり、そのベンチには恋人たちが寄り添っている。

 特別な場所で『次』……。
 いやいや、なにを考えているのよ。
 外だよ。外。

 あらぬ想像を振り払うように頭を左右に振り、大友に手を引かれるまま、空いていたベンチに腰をかけた。

 水族館にも観覧車があったようで、丸い観覧車は色とりどりのイルミネーションが鮮やかだ。
 遅い時間になれば日も落ちて、より輝きが増すだろう。

「今日、ここに来れてよかった」

「うん。私も」

 景色を見ながら大友は話し出す。

「言うのがずいぶん遅くなったけど」

「え、なにが?」

 夕日に照らされた大友は陰影のコントラストがはっきりして、その真剣な横顔にドキリとする。

 そして、その顔をこちらへ向けて真っ直ぐに告げた。


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