同期は蓋を開けたら溺愛でした

 お風呂から出ても、用意されているバスローブを着る勇気はなくて、脱いだ服をそのまま身につけた。

 私が出ていくと、大友は私の方を見ずにバスルームへと向かった。
 すると、すぐに出てきた大友に目を丸くする。

 髪からは雫を落とし、バスローブを形ばかり羽織った大友にギョッとする。

「ま、待って。お願い。露出するの苦手って言ってたよね?」

「ああ、でも今はそんなこと言ってられないくらい気持ちが……」

 目がチカチカして見ていられなくて背を向けると、後ろから抱きしめられた。

「悪い。体裁を保っていられない」

 絞り出したような声を聞き、胸の奥が切なくなる。

「お願い。髪は乾かして。それに、あの、ゆっくり、お手柔らかにお願い、します」

 最後は声が震えてしまって、私の方が格好がつかない。

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