同期は蓋を開けたら溺愛でした
すると、ははっと力なく笑う大友が体を離して、バスルームの方へ消えた。
戻ってきた大友は手にドライヤーを持ち、バスローブもさきほどよりは体にきちんと巻きつけている。
「いつもの逆だな。恵麻は世話の焼ける奴だと思ってて、俺の方が世話焼きだって自負してたのに」
いつも通りの口調に戻った大友に安堵して、「座って」と言われた椅子に腰掛ける。
私の髪を乾かす大友に「私より自分の……」と訴えても「いいから」と聞き入れてもらえない。
私の髪が乾くと自分の髪もザッとドライヤーを当てた大友が私の手を引いた。
ドキドキする心臓を抱え、ベッドに腰を下ろす大友の隣におずおずと腰掛けた。
それはいつもの定位置と同じ並び。
右隣に大友。それは変わらない。
それなのに、心臓が口から飛び出しそうなほど緊張する。