同期は蓋を開けたら溺愛でした

「もう、キスしても?」

 改めて聞かれる気恥ずかしさを感じながら、コクリと頷くと肩を抱き寄せられて顔を覗き込まれた。

「好きだよ。恵麻」

 甘く囁かれ、優しく唇が触れた。
 それからゆっくりと何度もキスをして、唇はついばむように重ねられる。

 その優しい触れ方に緊張は解けていく。

 次第に息が甘い吐息交じりに変わると、唇を食まれ、舌を割り込まれた。

 ゆっくりと味わうようにするキスが、余計に艶めかしくて、大友のバスローブにしがみつく。

「お手柔らかに、できないかも」

 濡れて淫らな唇から発せられる、掠れた低い声に胸はギュッと痛くなる。

 耳にも優しくキスをされ、体を揺らすと「かわいい」と甘い声が耳をくすぐった。

「もう少し、触れても震えない?」

「分からない、よ。聞かないで、意地悪」

 精一杯の返答をすると、表情が変わったのが一瞬だけ見えて、そのあとは首元にまた顔をうずめてしまった。

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