同期は蓋を開けたら溺愛でした
大友は言った通り、アパートでは優しく重ねるだけのキスをする程度でその夜は眠った。
慣れ親しんだ朝を迎え、ぼんやりする私は大友の焼いてくれたパンを頬張る。
「私も、家事する」
ボソッとつぶやくと「槍が降るからやめてくれ」と、不平を言われた。
「だって置いてもらうのに」
「好きで置いてるの。恵麻が今抱えてる謎が解けたら、恵麻の手料理をご馳走になるわ」
私を甘やかすような、それでいて、今の私の胸の内を早く打ち明けろってプレッシャーをかけられているような気持ちにもなった。
恥ずかしいからと、アパートからは別々に出た。
先に出た大友の鍵を預かる形で、私が後からアパートを出る。
どう考えても私を信用し過ぎだよ。
そんな心配が頭をよぎる。