同期は蓋を開けたら溺愛でした
時間が過ぎていくと、それぞれが席を移動して話したい人たちで語り合う者、騒ぐ者、さまざまな人たちがいる中で、私は年齢が近い後輩がいるグループに混ぜてもらっていた。
「青木さん。実はずっと前から聞きたかったんですけど」
恋話で盛り上がっていた後輩が、急に私に話を振ってきて、面食らう。
「えっと、なに?」
恋愛のアドバイスなんて、出来る気がしない。
不安な心持ちで待っていると、後輩はみんなに目配せしてから声を落として言った。
「青木さんって、大友さんと付き合ってるんですよね?」
突然の追及にむせ返って、咳き込んだ。
「大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫。平気」
後輩にまで心配させて、なにをしてるんだろうと不甲斐なく思いつつ、質問になんと答えようかと考えあぐねる。
「あの、そう大友さんに聞いたんですけど」
別の子がそう言って、目を丸くした。
大友が……言ったんだ。
公開しようとも、秘密にしようとも言ってはないけれど、大友が言ったという事実にどうしてか心が浮き足立つ。