同期は蓋を開けたら溺愛でした

「さっぱりしてるもんね。大友って。そこがいいところだけどさ。恋人にも情け容赦なく、ばっさりいきそう」

 サバサバしていて、だから異性だけど友達でいられる。

「ばーか。本気で好きな奴には違うの。でろんでろんに甘やかす」

 変な単語を言われて思わず吹き出した。

「でろんでろんって、どんなよ」

 笑って見た先の大友は目尻を下げて私を見つめたまま、戯言をのたまう。

「試してみるか? 振られた男なんか忘れるくらい骨抜きにしてやるぞ」

「は? 何、言ってるのよ。それは本気の奴には、でしょ? 不正脈起こしそうになるから、私なんかにそんな溶けそうな顔で甘い声出さないでよ」

「それ、俺にときめいたって言えないわけ?」

 文句を言っているのに、頬づえを崩して腕に顔を置く大友はまだ甘ったるい声で話しかけてくる。

 目つきが悪いって言われる大友が、本当は垂れ目で可愛い目をしてるって私は知っている。

 いや、今はそんなこと言ってる場合じゃない。

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