同期は蓋を開けたら溺愛でした

「たくさん来てくれるといいけど」

「まあ、来るには来るだろ」

 サンプル品をただ渡すだけではなく、実演して、実際に手に取って興味をもらえるかどうかに掛かっている。

 時間になり、会場がオープンするとたくさんの人々が雪崩れ込んでくる。

 ドキドキしながらも、木森文房具のブースへ足を運んでいただけた人たちに精一杯文房具の魅力を語った。


 あっという間に終わった文房具フェス。
 それなりに手応えを感じて、疲労感よりも充実感でいっぱいだ。

「かわいい!」
「筆箱に入れて、いつも持っていたい」
「便利でいいですね」

 そんな声を聞いて嬉しくなった。

 心配していた『アンドの商品に似ている』『真似した類似商品』という声は今のところ聞こえてこなかった。

「とりあえずは大成功だな」

「そうだね」

 大友と見つめ合って、健闘を称えあう。

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