同期は蓋を開けたら溺愛でした

 ただ同期だっただけ。
 それが配属され、席が隣になって、それほど時間がかからないうちに戯れ合う同期になった。

 バカばかり言い合える唯一無二の存在。
 その関係を崩してきた大友を恨めしく思った時期もある。

 それがやっと甘い恋人同士になれたと思ったのも束の間。
 これからずっと離れないと約束し合う、『結婚』をするという。

「はいって答えておいて、嫌なわけ?」

 意地悪な聞かれ方をして、ブンブンと頭を勢いよく左右に振る。

「違うよ。驚いて……。公園でサラッと言った後に何も言わないから、からかわれたんだって思ったから」

 公園での行動を指摘すると、大友はぼやく。

「公園で言うつもりだったけど、さすがにあそこでひざまずいて言う勇気が出なかったわ」

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