同期は蓋を開けたら溺愛でした

「結婚を前提なら、同棲も許してもらえるだろ」

「もしかして、わざわざ挨拶に行こうって、そういう……」

 大友へ訝る視線を送ると、真っ直ぐに見つめられて反撃に遭う。

「同棲も、結婚も。一緒にいたいから、したいに決まってるだろ」

 息をついた大友が、ネクタイに手をかけて動きを止めた。

「そうだ。恵麻が解いてくれるんだったよな」

 妖しい色気を含んだ眼差しを向けられ、たじろぐ。

「私が解こうとすると、解くつもりが締めちゃうかもよ」

「恵麻に首絞められるのなら本望だわ」

「怖いから!」

 どうにか大友をやり込めようと反撃を試みるのに、どうにも敵わない。

 仕方なくネクタイに手をかけると、軽く引っ張って唇を重ねた。

「……だから、不意打ちはダメだって。……覚悟、しとけよ」

 心ばかりの反撃は、大友の色気を増幅させて返り討ちに遭う。
 
「ダメ……汗たくさんかいてる」

「いいって」

「良くないよ! お風呂……」

「一緒に入ろうか」

「……入らない!」

 そんないつも通りの戯れ合いをして、甘い夜は更けていった。


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