同期は蓋を開けたら溺愛でした

 心の限界はとうに超えているのに、大友は呼吸をも忘れてしまうような台詞を口にする。

 それは掠れた、切なくなる声。

「恵麻、お前がたまらなく好きなんだよ」

「うわ……」

 可愛げのない声が漏れ、頭に回されている腕に力がこめられる。

「頼むから、はなから論外にしないでくれ」

 悲痛な訴えは聞いている私の方が泣けてきそうになって、震えるくちびるから消え入る声で本心をこぼす。

「論外、じゃないから困るんじゃない」

「……え」

 強かった腕の力が抜け、顔を覗き込まれる気配を感じ、慌てて大友の胸に顔を押し付ける。

「ずるいよ。自分は顔を見せないくせに。今、顔見たら許さない」

「ふっ、ははっ」

「……何が、おかしいの」

「いや、うん。うん」

 何度か1人頷く大友は、何かを納得したようだった。

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