同期は蓋を開けたら溺愛でした
大友はビールをその場で開け、勢いよくあおって飲み干してから、数本を手にして私の隣に座る。
「ダメだよ、そんな飲み方」
「うるさいな」
止めようとする私を睨みつける大友に、私の中の何かが切れて声を荒げる。
「大友が、大事だからに決まってるでしょ!」
すさまじい剣幕に大友も動きを止めた。
私は昂る気持ちを止められなくて大友へぶつける。
「どこの誰だかと違って大友は大事だから、簡単に返事できないんじゃない。そのくらい分かってよ!」
胸ぐらを掴んで揺さぶると、大友は顔を片手で覆う。
「悪い。悪かったよ」
消え入る声を聞いて私は力なく手を離し、崩れ落ちるように座り込む。
その手の上に、手の甲を包み込むようにして大きな手が重ねられた。