同期は蓋を開けたら溺愛でした

「……雄って、呼べよ。頼むから」

 懇願されて弱音が転がり落ちる。

「雄、ヤダよ。変わっちゃ……」

「……待つ、つもりではいるんだ。でも……」

 大友は胸を押さえて体を丸めた。
 ただ事ではない仕草に、慌てて大友の背中に手を当てる。

「もう! 無茶な飲み方したから!」

 ははっと乾いた笑みをこぼす大友は想像と違う理由を口にする。

「お前に気持ちを言ってから、心臓が言うことを聞かなくて」

「それって、どういう……」

 質問の答えはもらえずに手を取られ、胸元に持っていかされる。

 見た目通りの筋肉質な厚い胸板に触れ、心がさざめく。
 そして、それよりも速い鼓動に驚く。

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