同期は蓋を開けたら溺愛でした
「恵麻は出ないの?」
「え?」
「あー。ダメダメ。こいつ威勢がいいだけで球技全然ダメだから」
「……なんで大友が答えるのよ」
ムスッとしてるのに大友は当然のように言う。
「だってそうだろ? 前に参加させられた時、やる気だけはあるから手を出して腕が青あざだらけになったろ。活躍できればまだしも……。心配になるからやめとけよ」
だから、大友は私の保護者なわけ?
苛立ちをぶつけたいのに、真紀ちゃんがクスクス笑うから大人気ない態度は見せられない。
里美は呆れ顔で大友に突っ込んでいる。
「大友くんは相変わらず恵麻に過保護なんだから」
「うるさいな。こいつがチョロチョロするからだろ」
何故だか不貞腐れる大友に、私が不貞腐れたいよ! と文句を言いたくなる。
「過保護な大友くん。今日の夜は恵麻を借りるわよ」
「あっそ。どうぞご自由に」
「ちょっと、里美! わざわざ大友に確認取らないでよ」
「だって言っておかないと心配するかと思って」
もう、本当に。人をなんだと思ってるの?
真紀ちゃんは変わらず楽しそうに微笑んで、私は苦笑するより他なかった。