同期は蓋を開けたら溺愛でした
ホットウーロン茶を飲んで心を落ち着かせていると、時間通りに里美がやってきた。
「早かったね。待った?」
里美の顔を見て表情を緩められたのは一瞬、その後に続いて入ってきた人を視界に捉えて絶句する。
「どう、して……」
里美の横に立つ思わぬ人物。
そこまで一緒だったから。
そんな理由でこの場に連れて来たとしたら、里美はどれだけ空気を読めないんだって話。
立っていたのは真紀ちゃんだった。
里美は意味深に真紀ちゃんへ目配せしてから、円卓に彼女も座れるように横にずれて腰を下ろした。
里美が店員さんにお願いしたらしく、あとから入ってきた女性が追加の椅子を持ってきて置いていく。
その椅子に真紀ちゃんも座る。
何を言えばいいのか、言葉を詰まらせる私に里美が口火を切った。
それは想像し得ない内容だった。
「今日は真紀ちゃんがいないと話せない話もしたくて、無理を言って来てもらったの」
里美がそう言うと真紀ちゃんは軽く会釈をした。
どういうこと?
だって、今日は里美に私が大友について相談したくて。
転職サイトからのメールってなんだと思う? とか、他にも色々聞いて欲しくて約束を取り付けたのに……。