同期は蓋を開けたら溺愛でした
何が? どう、なってるの?
真紀ちゃんの後を受け取って里美が話す。
「真紀ちゃんに来てもらったのは私だけで話すととてもじゃないけど、信じてもらえないと思ったから来てもらったの。ありがとね。もういいよ」
真紀ちゃんにお礼を言って、里美は真紀ちゃんを帰そうとしている。
「え、あの、何が?」
私のパニックについての答えはもらえず、勝手に2人は話を終わらせようとしているの?
「真紀ちゃん、この後、婚約者の方とデートだから」
「そ、うなんた」
「だから詳しい話は真紀ちゃんが帰ってから私が話すね」
里美が話をまとめ、真紀ちゃんを帰らせる。
「わざわざありがとう」
「いいえ。では、失礼しますね」
真紀ちゃんは礼儀正しく私へも頭を下げて個室を出て行った。
彼女の去っていく背中を見つめ、その姿が見えなくなると残された空席をぼんやりと見つめる。