同期は蓋を開けたら溺愛でした

「さあ。今から大変だ。心して聞いてね」

 腕まくりしそうな勢いで里美が言うと「とりあえず、話の腰を折らないように料理はある程度先に入れてもらおう」と、提案され、料理を運んでもらうように頼む。

 その間も私は狐につままれた心持ちで里美を見つめ続けた。

「恵麻はまずは食べて。その間に私がざっと話すから。私が話したあとに恵麻の話を聞くわ」

 私は言われるまま頷いてスープをよそって手元に置いた。
 息を吹きかけ、口に含むと野菜の優しい味がする。

 頼んだレディースコースは薬膳スープに青菜の炒め物、エビチリに春巻きなど。
 さまざまな料理が円卓に並べられている。

 どれも美味しそうで普段なら目移りしそうなのに、それよりも話の続きが気になって仕方がない。

「真紀ちゃんと付き合っているフリをしたらって提案したのは私なの」

 初っ端からビックリする内容に目を丸くする。

「どう、して……」

「だって大友くんが付き合っていなかったら恵麻ったら、彼の側にいられなかったでしょう?」

 里美は確かに日本語を話しているのに、どこか難解な言語を話しているような気がしてしまう。


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