同期は蓋を開けたら溺愛でした
大友とは同期だから入社初日から知っている。
新入社員の中で頭一個分くらい大きい大友は目立っていて、大柄な人がいるなぁが第一印象。
教育期間が終わって配属されたのは6月。
大柄な彼と隣の席になったのもこの時だ。
最初は無愛想な大友が苦手で、だけど思いのほか面倒見のいい彼と仲良くなるのに時間はかからなかった。
その頃、大友は大学の頃に付き合っていた彼女と遠恋をしていた。
私はといえば、大学卒業と同時に別れていて、それで……。
そりゃ大友はいいやつだから、恋人がいるって知って残念に思わなかったと言えば嘘になる。
だからって……。
考え込む私に里美は口を挟んだ。
「恵麻ってそれなりに告白されてたじゃない? 今まで何度か。それで、その時にフリーなら付き合ってたじゃない?」
「うん。どこか変?」
わざわざ今、それを指摘されるのが分からない。
大友にも他のやつらは簡単にOKしてただろって言われたけど、今はその話をしているわけでもない。