同期は蓋を開けたら溺愛でした

 里美はウーロン茶をひとくち飲んでから告げる。

「恵麻は気付かずにそうしてたんだと思うけど、恋人がいる大友くんに気持ちがいかないように、フリーでいないようにしていたんじゃないかなって私は見てて思ったわ」

 そんなわけ……そんなわけない。

 今まで付き合った人は告白されて嬉しかったのは本当で、OKしたのも今から好きになっていけばいいって、そう思って……。

「それで、大友くんもね。最初は気づいていなかったみたいだけど、恵麻を好きになって。気持ちに気づいた頃には戯れ合う同期になっていたから」

 里美の話ぶりだと、もう随分前から私たちはお互いに想い合っていたみたいになってしまう。

「想像力が豊か過ぎるよ、里美は」

 軽く笑う私へ里美はもっと大きな爆弾を落とす。

「でも実際、真紀ちゃんと大友くんは付き合ってなかったのよ。それに水野さんとも」

「何を、言って……」

 思い出したくない彼女の顔を思い出し、軽く身震いをする。
 けれど、その水野さんとも付き合っていないって、何がどうなっているの?

 私の疑問の答えを里美がくれる。

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