同期は蓋を開けたら溺愛でした
この企画はボツにして新たに考えるべきなのか……。
そんな空気が漂う中、大友だけが異を唱えた。
「切磋琢磨する世界です。先に考えていたとしてもヒットすれば、おのずと二匹目のドジョウはすぐ出てくる。便乗したと言われても気にしなければいいのでは」
アンドの発表と前後して、知的財産管理部からは他社の特許を侵害する可能性はないとの報告があった。
特許という面ではクリアしている。
しかしあまりにも時期が近い。
大友のいつもながらの余裕な態度に、今回ばかりは賛同も感心もできない。
会議は他の案も考える方向で話がまとまって、私はまたイチから考え直す羽目になった。