孤独な私が愛を見つけたら
「あっ、邪魔ですね。みそ汁の具は何が良いですかね。」

早口になった私に、坂下さんが肩をポンとたたいた。

「…俺が勘違いしてしまいそうになる。」

「えっ?」

「佐奈の反応がいちいち愛おしい。」

私は反射的に身をひるがえす。

偶然にも坂下さんにぐっと近づいて、顔を至近距離で合わせる体制となってしまった。

「佐奈…。」

坂下さんの力強い腕に私は引き寄せられてしまった。

「済まん…、少しだけ…、少しだけ俺に時間をくれ。」

胸がぎゅっと締め付けられ、私は何も答えられなくなる。

これが坂下さんの匂い…。



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