孤独な私が愛を見つけたら
坂下さんは静かに目を閉じていく。

「…眠たい…。」

坂下さんの手が私の頬から滑り落ちた。

そして静かに寝息を立て始めた。

「えっ?えっと…、坂下さん?」

坂下さんにしっかりと抱かれている状態で、身動きも出来ない事に気が付いた。

「…坂下さん…。」

思わず情けない声を出してしまった。

この状態…、一体どうしたらいいんだ…。

私は身を固くして、途方に暮れていた。

そして改めて坂下さんの顔を見た。

無防備なその寝顔に、思わず私はクスリと笑ってしまった。

指を恐る恐る伸ばして、坂下さんの頬を突いてみる。

そんな事にも気が付かずに、すやすやと眠る坂下さん。

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