孤独な私が愛を見つけたら
15
私は次の日に有給休暇を取った。

それは香織さんが私の様子を見て、少々強引に決めた事。

そんな香織さんの配慮に、私は感謝していた。

何故か二人に顔を合わすことが急に怖くなってしまったからだ。

私の暗い表情を見て、香織さんはその日に必ず動くからと私に約束をした。

逃げてしまうようで戸惑っていた私に、香織さんはこう言った。

「時間も必要よ。大変かもしれないけれど、明日はしっかり考えてみて。すぐに答えは見つからないかもしれないけれど。」

そんな香織さんの言葉を思い出しながら、外出する気にもなれなくて、重い腰を上げて部屋の掃除を始める。

こんな調子では、引っ越しもいつになるやら…。

私はそんな思いを振り払うかのように、身体を動かす。

ベッドに近づいて、布団を干そうとした時だった。

「あっ…。」

私はベッドを見下ろしながら、動きが止まった。

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