孤独な私が愛を見つけたら
少なくとも就職してからは顔を合わせていない。

両親からはこちらを心配するラインは忘れた頃に届いていたが、それに返信することもなかった。

別に両親が嫌いだったわけではない。

それが当たり前だと思っていたからだ。

何かあった時だけに返信をすれば良いとくらいにしか、自分には思えなかったからだ。

「ええ?」

私は何気なく覗いたそのラインの返信に驚いた。

2人がそろって、昼から有休を取ると言って来たのだ。

そして実家で待っているというのだ。

私は思いがけないラインの返信をじっと見つめた。

ただ両親の会社の昼食の休憩時間に会えれば良いと思っていただけなのに。

何か…、私に何か起こるかもしれない。

そんな期待と不安が私の中に沸き起こる。

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