孤独な私が愛を見つけたら
母親がニコニコと中へ入るように促した。

私はそんな両親に戸惑っていた。

「おかえり、何か用事でもあったの?」

そんな冷静な雰囲気を想像していたからだ。

「あなたの好きだったオムライスにしたんだけど…。」

何だか母親は戸惑った表情を見せる。

「もう好みも変わってしまったのかしら?」

私が首を横に振ると、ホッとした母親の様子がうかがえた。

5年ぶりになるだろうか…。

私はリビングをぐるっと見回す。

何も変わっていない…、そう感じた。

「さっ、座って。」

三人で食卓を囲むと、自然に食事が始まった。

私が手を合わせて、“いただきます”のポーズをすると、両親も慌ててそれに倣った。

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