孤独な私が愛を見つけたら
「こんばんは。」

三井さんにかなり強引に連れていかれた洋食店で、顔見知りの人が待っていた。

「吉田さん、どうしたんですか?」

私の目の前の男性は微笑んだ。

「待っていましたよ、三井さん、宮田さん。」

吉田さんは私も担当している取引会社の営業さん。

私はニッコリと笑った後、三井さんを肘でつつきながら囁く。

「二人きりじゃなかったんですか?」

それなら教えて欲しかった。

もっとちゃんと断ったかもしれないのに…という言葉を慌てて飲み込む。

「俺がお2人をお誘いしたんです、迷惑でしたか?」

吉田さんの言葉に、私はバツが悪くて思わず首をすくめる。

私とは仕事のメールや電話でのやり取りが多い吉田さん。

三井さんはゆっくりとうなずく。

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