孤独な私が愛を見つけたら
「あなたに寄り添っていきます。だから…。」

「私は…。」

吉田さんの身体が小刻みに震えているような気がする。

「佐奈さんにまだ実感が湧かないのなら、俺がそうなるよう努力します。あなたを手に入れられるのなら、あなたが望むことを何でもします。」

はっきりと気持ちのこもった声だった。

ああ…、この人は…。

「好きです、佐奈さん。俺がそばに居る事を許して下さい。」

「吉田さん、私は…。」

「俺ではダメですか?」

その真っ直ぐな吉田さんの視線が私に注がれる。

「お願いです、吉田さん。少し落ち着いて下さい。そして…。」

私は何故かそこでゆったりとした笑顔を吉田さんに向けた。

「私にお話しする時間をくれませんか?」

吉田さんは私の言葉にハッとすると、私から手を放した。



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