孤独な私が愛を見つけたら
そして少し距離を置き、私の顔を見つめた。

「焦っていますね、俺。」

そして吉田さんは一度下に視線を落とし、もう一度私を見た。

「今日、何かありましたか?表情が穏やかになったような気がします。」

吉田さんはこんなに私の事を見てくれていたんだ。

そう思うと、身体がほっこりとする。

やっぱり吉田さんは素敵な人だ。

「…両親に会ってきました。」

こないだ食事の場であんな風に話してしまった私は、この事は吉田さんにきちんと伝えなければならないと感じていた。

「そうですか。じゃあ、どこかゆっくり出来るところでも…。」

吉田さんは私のアパートに視線を送ったように見えた。

「駅前に落ち着ける和食屋さんがあります。そこで夕食でもどうですか?」

私のそんな提案に、ふっと力が抜けたような笑顔を見せた吉田さん。

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