孤独な私が愛を見つけたら
「みなさん、お先に。佐奈、外で待っている。」

坂下さん…、自分はさっさと出て行くから良いかもしれないけど、帰り支度のわずかな時間でも残される私の身にもなってよ。

私は心の中で愚痴る。

そして鞄を持つと、さっと椅子から立ち上がった。

「お先に失礼します。」

何とか絞り出した私の声に他に人から声がかかった。

「やっと坂下さんの気持ちが通じたのね。」

「ホント、宮田って鈍感だよな。」

思わず聞こえたそんな声に、香織さんがとどめを刺した。

「坂下くんの気持ちは周囲にはバレバレだったのよ。さっ、もう待たせないであげて。」

私はそんな香織さんの言葉に背中を押されて、会社を出た。

そうだったんだ…。

私って本当に自分の事ばかり考えていたんだ。

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