孤独な私が愛を見つけたら
「私は…。」

「知っている。宮田が他人を自分のテリトリーに入れない事を。男の人は特に。」

三井さんはうなずきながら、優しい顔をする。

「でもね、吉田さんは良い人よ。」

「それなら三井さんが付き合えばいいじゃないですか。」

私は呆れたように言った。

「違う、そういう事じゃない。」

三井さんの表情が変わる。

「あなたのこれからに、こういうお付き合いは必要だと思うの。」

私は三井さんが何を言いたいのか分からない。

「私が他人に自分の中に入り込んでほしくないって思っている事を、三井さんは良く知っているじゃないですか。」

三井さんは苦笑いをする。

「いやというほど知っているよ、そんな事。」

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