孤独な私が愛を見つけたら

「もうお疲れでしょう。明日もありますし、早く帰った方が良いんじゃないですか？」

私は失礼にならないように気を遣ってそう言った。

「宮田はあとどれくらいかかりそうなんだ？」

「そうですね、あと30分ぐらいですかね。」

私は何気なくさらっと答えた。

「そうか。それなら待っているから、一緒に飲みにでも行かないか？」

やっぱりこんな状況だと、部署は違っても部下に気を遣うよね。

私は大きく深呼吸をする。

「いえ、結構です。これが終わったら、私もすぐに帰ります。お先にどうぞ。」

そして私はニッコリと坂下さんに微笑む。

こんな時にもビジネススマイルを社内の人にしなくてはならないなんて。

「宮田は案外冷たいんだな。」

思わぬセリフが返って来て、私は思わず坂下さんを見た。

「どういうことです？」