孤独な私が愛を見つけたら
時々スイッチが入ると、人が変わったように掃除を始める。

しかしそれもだんだんと期間が空いてくるようになった今日この頃。

埃では死なないし、掃除してもすぐに汚れてしまうのなら、もう良いかなと思ってしまう。

元々変わり者で他人と必要以上に付き合いを持たないため、他人が家に来ることもない。

従って必要以上に掃除をする事に、あまり重要性を感じないのだ。

それにちょうどもう少し良い部屋に移りたいと思い始めていた。

「そう。ちょっと気にしておくわね。」

そんな風に笑う三井さんの雰囲気が好きだ。

今のところ、一番私が気を許している人かもしれない。

「それよりさ、宮田は吉田さんと坂下くんとではどちらが話しやすい?」

三井さんはそっちの方に話題を戻したいようだ。

「二人に限らず、あまり他人とは個人的な話はしませんから。」

私は素っ気なく答える。

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