孤独な私が愛を見つけたら
坂下さんと三井さんは目を合わせて、動きを一瞬止めた。

「宮田はそれでいいわけ?」

坂下さんが我に返ったように、私の方を向いた。

「全然構わないですよ。」

私はさらりと言った。

「おい、三井。俺はこれで宮田に振られるのは何度目だろう。」

そんな事を言いながら、坂下さんは私にぐっと近づくと、思いきり私の顔を覗き込んだ。

近い…。

私は思わず顔を背けた。

「こら、こっちを見ろ。宮田。」

「だって、そんなに近かったら怖いです。」

私は慌てて、身体を反らす。

「良いからこっちを見ろ。」

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