孤独な私が愛を見つけたら
あっけらかんと答える三井さんに、私は肩をすくめる。

「それなら4人でどこかに行きましょうか。」

三井さんの後ろから、更に聞き慣れた声。

私はこっそりとその場をやり過ごそうと、機会をうかがう。

すると足早に近づいたその声の主に腕を掴まれる。

「坂下さん。」

私は思わずそちらに顔を向けた。

「宮田、今逃げ出そうとしただろう。」

「俺もそれを感じて、何とか捕まえようと思っていました。」

私の前でオーバーに手を広げた吉田さん。

そして2人はニッコリと私を見る。

「二度逃げられるなんて間抜けな事はしないぞ。」

坂下さんは顔を撫でながら笑う。

「隙を見せたらダメなんですよね。」

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