孤独な私が愛を見つけたら
三井さんはぐいぐいと攻めて来る。

「両親は…、多分私にそんなに興味がないと思うので…。」

私は何気なくそう言ったつもりだった。

「宮田、さっさと教えろ。」

急に坂下さんが声を出した。

「そうですよ。俺達が聞きたいのは、そんな前振りではなく、宮田さんの名前です。」

吉田さんは興味津々の表情をこちらに向ける。

「せっかくだから、プライベートでは下の名前で呼び合いましょうよ。」

三井さんは嬉しそうに声を上げた。

「無理です。」

一番年下の私はぶっきらぼうにつぶやいた。

「宮田、さっさと教えろ。」

同じセリフを繰り返す坂下さん。

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