孤独な私が愛を見つけたら
「ねえ、香織さん。俺達も聞きたいですよね。」

吉田さんの言葉にハッとするように反応した三井さん。

あれ?少し顔が赤くなったような気がするのは気のせいなのかな?

「うわ~、凄く新鮮だわ。それに嬉しい。」

三井さんは正面に座る吉田さんに手を差し出した。

それに驚く事もなく、ゆっくりと握手をする吉田さん。

どうしたんだろう…、その自然な姿に気持ちがホッとする。

私はなぜかそんな2人の様子を見つめてしまった。

「宮田、早く。」

坂下さんは容赦ない。

「…。」

「だめ、聞こえない。」

私はぎゅっと目をつぶる。

そしてわざと大きく息を吐くと、目を見開いた。

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