孤独な私が愛を見つけたら
「宮田佐奈(さな)と言います。にんべんにひだりの佐、あと奈良の奈です。」

私は一大告白をするかのように、ゆっくりとはっきりと言った。

そしてうつむく。

「佐奈…。」

坂下さんがぼそりとつぶやく。

「可愛い名前じゃないですか。佐奈さんですか。」

吉田さんはやっぱり優しく微笑む。

「宮田にぴったりの名前じゃない。」

三井さんは私の方を向いた。

「呼びやすいから名付けたと両親から聞きました。…ただそれだけの名前なんです。」

吉田さんや三井さんが騒いでいるその横で、坂下さんが黙ったままこちらを見つめているのが気になる。

「みなさんが私の事をどう呼ぶかは自由ですが、私はこれまでと同じようにみなさんを呼ばせてもらいます。」

私はハッキリと言い切った。






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