孤独な私が愛を見つけたら
「待ってもらっていて申し訳ないんですけど…、もう疲れてしまったので帰っても良いですか?」

私は坂下さんの様子を伺う。

「ダメだ。」

あっさり答えた坂下さんは立ち上がった。

「行くぞ。」

私はそんな坂下さんの背中を見つめる。

坂下さんは我が社の営業さん。

仕事はそつなくこなし、周囲の受けも良い様に思う。

少し嫌味な所もあるが、その分頭も切れるような気がする。

う~ん…、こうなったら、どこかで姿をくらまそう。

明日、何を言われても少しの我慢だ。

そう決めて、私は仕方なく立ち上がり、坂下さんの後を追う。

エレベーターで待ち受ける坂下さん。

「おい、たらたら歩くな。」

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