孤独な私が愛を見つけたら
「宮田、悪いけどその書類を持って、打合せ室に来てもらえるかな。」

「えっ?」

私が驚いている間に、三井さんはもう立ち上がっている。

その様子に、私は慌てて付いて行く。

ドアを開けると、先に椅子に座った三井さんは私を正面に苦笑いをした。

「本当は就業中にこんな話はダメよ。でもつい話を振っちゃった私が悪いから。」

私はマジマジと三井さんを見つめる。

「ごめんね、私が珍しく焦っちゃった。佐奈ちゃんの意向を早く吉田さんに伝えたいと思っちゃったから。」

三井さんは恥ずかしそうに笑い声をあげた。

「だんだん佐奈ちゃんの雰囲気が良くなって来たから、いい機会じゃないかと思ったのよ。」

さっきより砕けたしゃべり方なのは、ここが2人きりの密室だからだろう。

「ねえ、今度の土曜日、私とデートしない?」

何だかその言い方が可愛らしくて、私はつい笑ってしまった。

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