孤独な私が愛を見つけたら
香織さんはクスリと笑う。

「まあ、何が起こっても無理に抗わないで、流れに身を任せてみなさい。きっとそれが…、自然に出る気持ちや行動が佐奈ちゃんの本当の答えなんだと思う。」

私はポカンと香織さんの顔を見つめる。

「すいません、ますます分からなくなったような気がします。」

私の口から、そんなセリフが零れ落ちた。

「ははは。」

そんな私の様子を、楽しそうに声を上げて笑う香織さん。

「か…、香織さん?」

香織さんは思う存分笑うと、こう言った。

「今は分からなくていい。でもきっと分かる時が来るから。」

「そういうものなのですか?」

私は香織さんの様子を伺いながら、訳が分からない。

「さっ、とにかく今は食べましょうよ。」

< 82 / 170 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop