孤独な私が愛を見つけたら
軽く香織さんに話題を変えられた。

「この後はどうする?」

「えっ?」

「どこか行きたい所はない?例えば買いたいものとか…。私はどこでも付き合うわよ。」

私はただ香織さんについて行けば良いのだとばかり思っていた。

「私はそこまで考えていなくて…。」

私は目を伏せた。

「じゃあ、その辺をぐるりと回ってから、坂下くんのマンションでも行こうか。」

香織さんはニヤリと笑って、私をチラリと見た。

「えっ…。」

私は思いがけない香織さんの言葉にすごく混乱した。

「どうして坂下さん…?」

「佐奈ちゃん、引っ越し先の候補として隣の部屋を見に行こうって事よ。」

「あっ…。」

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