孤独な私が愛を見つけたら
「何?実は俺に会いに来てくれたのか?」

自分の意に反して、顔が真っ赤になった自分が恥ずかしい。

「…そんな可愛い顔するな。」

坂下さんはまたぼそりと言うと、私の手を取った。

「もう大丈夫か?」

そして私の前にそれを掲げる。

「大丈夫か?」

反射的に私はうなずいていた。

「佐奈に触れる許可をやっともらえたみたいだな。残業の日はいきなりで驚かせてしまったみたいだったからな。」

あの後から手をそっと触れる事から始めてくれたのはそういう意味があったのか。

三井さんとは違うやり方だけど、坂下さんは坂下さんで私との距離を上手に縮めてくれているんだ。

「でも…。」

そう言いかけた私は押し黙った。

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