孤独な私が愛を見つけたら

坂下さんは時々難しい事を言う。

「どういうことですか？」

「あまり深く考えるな。でもちゃんと頭の片隅に覚えておくんだぞ。」

やっぱり坂下さんが何を私に伝えたいのか分からない。

私のそんな様子を見て、坂下さんはふんわりと笑った。

「佐奈、夕飯はどうするつもりだ？」

「もちろんうちに帰って…。」

すると全力で私を睨みつける坂下さんに気が付いた。

「ここで食べて行かないか？良ければ俺が作るぞ。そうしたらもう少し話せる。」

「えっ？坂下さんは料理が出来るんですか？」

思ったよりその驚きの声は大きかったようで…。

坂下さんがぐしゃりと私の頭を撫でた。

「いつも孤独な夕飯を取っているって言わなかったか？俺も佐奈と一緒だよ。」

何だかその言い方に安心を感じてしまった。