孤独な私が愛を見つけたら
「佐奈とこんなプライベートな会話が出来るようになるとはな。」

「えっ?」

「こんな気持ちは初めてだ。」

私の手を温かい大きな手が優しく包む。

「この手を放したくない。」

私はぼんやりと坂下さんを見つめる。

そうなのだ…、私も坂下さんに触れたいと思ってしまった。

この自然と沸き起こって来る気持ちはどう説明したらいいのだろう。

「同じことを思ってくれていると嬉しいんだがな。」

遠慮がちに坂下さんがつぶやいた。

まるで私の心の中を見透かされているように感じて、私はうつむいた。

どうしよう、胸がドキドキと波打ち始めた。

男の人のこんな様子に慣れていないから?

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