私の主治医はお兄ちゃん
ピッピッピッピッ
一定の間隔で音を立てている機械。
白い壁と天井。
私につながれた管。
生きてる。
私はまだ生きてる。
生きるチャンスを与えてくれた人は他の誰でもないお兄ちゃん達。
私が目を覚ますと涙を浮かべてこちらを見ているお兄ちゃん達。
そしてちらりとお兄ちゃん達を見ると私はすぐに抱きしめられていた。
駿「美音。ごめん。気付いてやれなくて。」
少し嗚咽が混ざりながらそう言った駿介。
私はなんて事をしたんだろうと後悔した。
美「ごめん…なさい。」
私がそう言うと優也兄も湊斗兄も私の事を抱きしめてくれた。
優「美音ごめん。全部お袋に吐かせた。」
美「え?」
私はストレスで胃潰瘍手前。
そして、ママに殴られた事によって肋骨にヒビが入っていたそう。
胸が痛くなったりしたのもそのせいだったと言う。
湊「今回は美音の事誰も責めないよ。でももっと頼って欲しかった。俺らを」
美「ごめんなさい」
優「なぁ美音。しばらく美音には休憩が必要だ。退院したらどこか旅行にでも行こうよ。久しぶりにみんなで別荘にでもさ!」
そう言って優也兄が頭をポンポンとしてくれた。
別荘…前は今より喘息がひどくて長い休みの時は田舎にある別荘に泊まりに行ったりしたっけ。
パパが私を心配して建ててくれた別荘。
私が行ってもいいのかな。
駿「いいんだよ。一緒に行こう」
私の心の中を読んだかのように駿介がそう言った。